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RETURN  「 元の世界に帰るには?」 制作BBS


【 元の世界に戻るには?】

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 [物語] ミナ


【はじめまに】 

[RETURN]

 
「どうしましょう・・・。ユーリィさん、どこか雨宿りのできそうな場所ってありますか?」
「えっと・・・そうだ、この先にトンネルがあるので、そこで雨宿りしましょう。お嬢様。」

【1】

[RETURN]

 
ユーリィと、お嬢様ことライトルーテが
トンネルに向かって走っていた。2人は散歩をしていたのだが、
途中で雨が降ってきたのだ。2人はトンネルの中に入り、雨宿りすることにした。

「どうしましょう・・・。なかなかやみそうにありませんねぇ。」
「・・・みんな心配してないかな?」
「携帯電話がありますから、それで連絡します。」

ユーリィが連絡してる間、雨はますますひどくなっていた。
「みなさんに連絡しておきました。・・・それにしても」
「・・・雨はやむどころか、雷が落ちてきそうですねぇ・・・。」
すると、本当に雷が落ちてきた!
 ゴロローン!!

「まぁ大変!ユーリィさん、奥に行った方がいいと思います。」
「ここにいたら雷が落ちてくるかも・・・。さっきのは近くだったし・・・。」
「そうしましょう・・・・。」 2人はトンネルの中を走った・・・・。
「・・・・?ここは・・・。」 「ベンチ、窓、水飲み場・・・。待合室?」

「それに晴れてますね。」
「おかしいな。向こう側は雷、こっちは晴れ。・・・おかしな天気ですね。」
確かにおかしかった。これが本当なら、こちら側も雷、あるいは向こうも晴れのはずだ。
「・・・お嬢様、私、向こうの方に行って見ます。お嬢様はベンチに座って待ってて下さい。」


「・・・もし戻ってこなかったら?」
「戻ってこなかったら、先に帰っていて下さい。」
「携帯電話で連絡も忘れずに。これは渡しておきます。」

「分かりました・・・。気をつけてください。」
ユーリィはライトルーテに携帯電話を渡すと、外に走り出していった。
何時間たっただろう・・・?ライトルーテは帰らなかった。ユーリィが心配だったのだ。
(ユーリィさん・・・大丈夫かな?)

彼女は背が高く、長い黒髪で、肌の白い、黒い目の美しい女性だった。
若くて、スタイルも良く、優秀で明るいメイドの彼女は、みんなの憧れの的だった。

もちろん、ライトルーテだって例外じゃない。
彼女は元モデルで、6年前、まだライトルーテが5歳の時にやって来たのだ。
その時の彼女は、とてもメイドになる人には見えなかった。

(・・・それにしても、ユーリィさんは何をしてるのかしら?)
ライトルーテは、いつしか眠ってしまった・・・・。

 
   

【2】

[RETURN]

 
「・・・何でお前みたいな人間の小娘を、私が雇わなきゃいけないんだい!?」
「私はこう見えましても、5年間、メイドとして仕えております。これはウソではございません。」

ライトルーテは不思議な夢を見ていた。
・・・ユーリィが知らない老婆に雇って欲しいと頼んでいる。
何か理由があるようだが、ライトルーテに分かるはずもない。

「お願いします・・・。どうかここで働かせてください。」
「・・・そんなに丁寧に言うんなら、・・・ほれ、契約書だ。」
「・・・ありがとうございます。」

ユーリィはお辞儀をすると、紙に何かを書いていた・・・。
紙は老婆の元に飛んでいった。・・・老婆は魔女らしい、とライトルーテは思った。
「・・・ユーリィ・リュ―シー?贅沢な名前だね。お前の名前は・・・ユリでいいよ!」

「はい。ありがとうございます。」
「早く仕事につきな!」
ここで夢は終わった・・・・。


(ユーリィさんの名前が・・・変わっちゃった・・・!)
ライトルーテはショックだった。彼女の名前が大好きだったのだ。
だが、もっとショックだったのは、自分の体が透けている事だった。

「ななな・・・なんてこと!?・・・もう夜だわ。」
ライトルーテはあわてていた。

「あわわ・・・・。」
彼女は急いでトンネルを出た。ユーリィは置いて行かざるをえなかった。

「・・・あの小娘、お前さんを見捨てたようだね。」
あの魔女・湯婆婆がユーリィに向かってそう言った。

「いえ。お嬢様は最善の事をなさっているだけの事ですわ。」
「ふん。まぁいいさ・・・・。」

 
   

【3】

[RETURN]

 
次の日、荻野千尋はこんなウワサを、学校で耳にした。
「カッコイイ先輩が来たんだよね!」
「うん!色が白くて、おかっぱのお兄さん!」
千尋はある人物を思い浮かべた。

(・・・ひょっとして・・・・。)
すると、誰かが千尋の肩をポン、と叩いた。
「やぁ千尋。久しぶりだね。」

「は・・・ハク?ハクなの?」
「そう。久しぶりだね。私は「琥珀川ハク」と名のる事にした。」
ハクは人間として、ここの世界にいることにしたようである。

「千尋、琥珀川先輩と知り合いなの!?」
「うん・・・。幼なじみだったの・・・。」
千尋はそうごまかした。

放課後、千尋はハクと帰る事にした。
ルートは一緒だったし、湯屋の事について訪ねたい事もあったからだ。

「リンさんや釜爺は?」
「相変わらず元気だよ。それと、銭婆も時々湯屋に尋ねてくるようになった。」

「ハクの家ってどこ?」
「トンネルのある森の近く。そこに小さな家があるんだ。
そこには川もあって、その川の神に、保護者の代理になってもらっているんだ。」
ハクはそう言った。

ハクは白いトレーナーにジーパンという服装で、
千尋から言わせてもらうと、彼には不自然だった。


2人は喋りながら公園を横切ろうとした。
「・・・あれ?あの子、まだランドセルを背負ってる。」
「・・・泣いてるみたいだけど・・・。声を掛けてみる?」

「うん・・・。」
ブランコに、腰までまっすぐ伸びた金髪の少女が、腰掛けて泣いていた。

「・・・あなた、どうしたの?」
千尋が訪ねると、少女は顔をあげた。緑の目に赤味がかかっている。
「この人、うちの学校の5年生だ!名前は確か・・・あれ?」
千尋は覚えてはいなかった。ハクは少女に尋ねた。

「名前は何と言うんだ?」
「ライトルーテ・グロウルーン=セイントライト。」
少女はそう言った。顔が真っ青だ。

「どうかしたんですか?」
「それが・・・。昨日から、うちのメイドさんがいないんですよ・・・。」
「「えぇ!?」」 2人は同時に叫ぶと、お互いに顔を見合わせた。

 
   

【4】

[RETURN]

 
「あの・・・実はウソのような本当の話なんですけど・・・。
信じてくれますか?」
「何ですか?」

「あの・・・・笑わないで下さいね。私自身信じられないんですから。」
そして、トンネルでの事、夢の事、あわてて帰ってきたことを話した。

「・・・・ユーリィさん、って言ったね、その人は。」
「はい。近所の人で、知らない人はまずいないと思いますよ。」
「きっと湯婆婆の所で働いているんだよ。名前を忘れていないといいけれど。
でないと元の世界に帰れなくなるんだ。」


「ユーリィさんに限ってそれはありえませんよ。
彼女は記憶力はバツグンですからね・・・。それとも、そんな問題じゃないとか?」
「その通り。」

ライトルーテはこうも言った。
「実は・・・。ユーリィさんがいなくなる前に、私の友達もいなくなっているんです。」
その友人も、トンネルに入って行ったらしい。
「とにかく、今度の土日に行ってみよう。」 「はい。」

次の日、ライトルーテの双子の姉もいなくなった。
「彼女の場合、名前を忘れる事はなさそうですけど、働くかな?

たいていマンガを読んだりしてるぐらいだし・・・。」
との事。早く土日よこい!と思わずにはいられなかった。

 
   

【5】

[RETURN]

 
土曜日、3人はトンネルに久しぶりに入った。
「・・・ここです。私はここで待っているように言われました。」
待合室のようなその場所を、千尋は良く覚えていた。
「この先に湯屋がある。そこにユーリィやライトルーテの友達も働いているはずだ。

・・・君のお姉さんも。」
ハクはあわてて付け足した。
「この先、どうすればいいんでしょうか?」
「とりあえず、湯屋に行ってみよう。」
 
   

【6】

[RETURN]

 
湯屋にはいつの間にか湯婆婆がいた・・・・。
「やれやれ・・・。ユリの言ってた通りだ。千にハクに・・・体の弱そうな小娘。」
侮辱されているのにもかかわらず、ライトルーテは平常心を保っている・・・。
「ユリがうるさくてね、お前にも仕事をやるから名前を書きな!」

ライトルーテはサラサラと、自分の名前を書いた。
「・・・なんて贅沢な名前だい!・・・お前の名前は光(ひかる)でいいよ。」
「ありがとうございます。」
ライトルーテはお辞儀した。

(すごい!平常心を保っている・・・・。)
千尋とハクは背筋が寒くなった。


「久しぶりだな!千とハクと・・・新入りだな。」
「はい。光と申します。」

「俺はリン。リンでいいからな。・・・ん?」
ドダダダと足音がやって来た・・・。
「トルテちゃん!」
紅い目の少女だ。

「トルテちゃんも仕事をもらったんだね。紗穂は笛って呼ばれてるよ。」
「小笛紗穂、だからね。」
どうやらライトルーテの友達らしい。身長はライトルーテと同じぐらい。
対等に話していると言う事は同い年だろう。

「光か〜。いいなぁ〜。・・・そっちは千さんとハクさんね。2人のことは語り草に
なってるわよ〜。湯女さん達が、ハクさんがいなくなったんで嘆いてたよ〜。」
紗穂はペラペラとしゃべる。しかしとっても聞きやすい。

「それと、ユーリィさんはユリって名前で、湯女さんのお仕事やってるよ。」
「姉さんは?」ライトルーテがそう聞くと、紗穂が少し怒ったような表情になった。
どうやら仲が悪いらしい。

「あぁ、エリサーね。エリって名前で仕事を与えられたんだけど、ほとんどサボってる。
多分湯婆婆様にばれてるよ。」


次の日から、千尋は再び仕事をやる事になった。
長い事やっていなかったのに、前よりもずっと上達しているような気さえした。
「千さんは千尋って名前なんだ〜。素敵な名前でいいな〜。」
「笛さんも紗穂って名前なんでしょう?可愛いじゃない。」

「でもさ聞いてよ〜。紗穂には3人も上がいてさ、み〜んな大学生なのよ?一番上は兄ちゃんで、9歳も年が離れてるのよ!残りは姉ちゃんで双子。8歳も年が離れてる。」
紗穂はウンザリした声で言った。

「で、3人ともイギリスに留学。英語は得意だったから会話とかは平気でしょうけど。」
「ふぅ〜ん。兄弟がいるのも大変なんだね。」
「そうなのそうなの!あ〜あ、一人っ子も羨ましいわ。」
この後、千尋と紗穂は別々の仕事だったので別れた。

 
   

【7】

[RETURN]

 
「じゃあ光さんのお姉さんって、カッコイイ男の子なら誰だって構わないって言うの!?」
「えぇ・・・。と言っても優秀な人だけですけど・・・。」
「ハク、追っかけられてないかな?」
「先ほど逃げていくのを見ましたが・・・・。」
「・・・やっぱり〜。(シクシク・・・)」

千尋はライトルーテと大湯の大掃除をしている。
「そう言えば、ユーリィさんに会えた?」
「いいえ。どうやら違う場所で仕事をしてるらしいんですけど・・・・。
なかなか会えなくて・・・・。」

すると、誰かの叫び声が・・・。


「わ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
この声はハク・・・。ジャポーン!と言う音がした・・・。
「あの音の距離からして・・・。よもぎ湯辺りみたいですね。」
「確かあそこって改装されて、かなり深くなってて・・・。」

「ところで、彼って背が高かったでしょうか?」
ハクの身長と、よもぎ湯の深さを比べてみると・・・。
ちょうどハクの頭一個分、よもぎ湯の方が深い・・。

「「助けに行かなくちゃ!!!」」
一方、よもぎ湯では、のぼせたハクが浮かんでいた。
「・・・・うわぁ、すごい熱さ!・・・これじゃあのぼせるのは当然ですね・・・。」
「ハク〜!」 ハクはすっかりのぼせ上がってしまい、気絶していた。


「釜爺さんに薬草をもらいましょう。」
釜爺の薬草の効果で、ハクはむっくりと目を開けた。

「ハク〜!よかったぁ〜!」
「ところで、何でよもぎ湯なんかに落ちたんです?
確か帳場で働いてるはずですよね・・・?」

「実は・・・・。」
今日の仕事が早く片付き、散歩でもしようかと思った時、
エリサーと鉢合わせし、よもぎ湯に逃げたら、足を滑らせ、落ちてしまったそうだ・・・。

「姉さんの代わりに私がお詫びします。すみませんでした・・・。」
「いや・・・。まぁそのおかげで、エリサーからは逃げられたから感謝しないと・・・。」
おかげでエリサーは湯婆婆に叱られ、汚れた湯殿を3つ、1人で洗う事となった。

 
   

【8】

[RETURN]

 
次の日、ハクは誰かと喋っていた。・・・若い大人の女性だ。

「・・・人間の世界は広いのだな。この町よりもずっと。」
「えぇ。ですけれど、この町でしか知る事ができない事もございますから、
甘く見てはなりませんね。」

千尋とリンはその話をじっと聞いていた。
「誰かな?・・・ハク、やっぱり年下は嫌なのかしら?」
「千尋、それにリンも。」
ハクは笑顔を見せた。


「初めまして。私、ユリと言う新人の者でございます。」
長い黒髪の、美しい女性だ。千尋とリンはがっかりした。
何故なら、自分は彼女ほど美しくはないからだ。

「ところで、光と言う方を見ませんでしたか?私、その方にお会いしたいんですよ。」
すると、その本人が走ってきた。
「わぁ、ユーリィさん!会いたかった!」
と言って、その本人のライトルーテは、彼女に抱きついた。

 
   

【9】

[RETURN]

 
「よかったねライトルーテ。」
「うん。よかったね。」
ライトルーテの笑顔は素敵だった。
ユーリィは照れたように笑っている。

「ハク様〜♪」
エリサーである。とんだところに邪魔が入った。
「あ〜らトルテちゃん。あなたも暇ね。・・・ハク様、ちょっと相談があるんですけど〜。」

「・・・・エリ、私は今忙しい。他を当たってくれ。」
「そんな冷たい事を言わないで下さいな。」
ユーリィはエリサーの前に立ち、ピシャリとその頬を叩いた。

「・・・何すんのよユーリィ!」
「お嬢様、ここは遊び場じゃございません。その事はよく承知しているはずです。
あなたにはここのルールをご理解できないのですか?ここに来て何日か経つのに。」


「あんたに言われたくはないわよ!あんたは所詮メイドで終わるのよ!
あんたみたいなお節介はごめんだわ!」
ユーリィの目はランランと怒りに光っている。

「・・・こんな事、言いたくはありませんでしたよ。」
そして彼女は言った。それは怒りに燃えた言い方だった。

「あなたのような分からず屋は、とっととこの町から消えてしまえばいいんだわ!」
エリサーはユーリィを思いっきり蹴飛ばして、どこかに走り去ってしまった。

「なんだあいつ。・・・・何様のつもりなんだ?」
リンはユーリィを助け起こした。
「ユリ、大丈夫か?」

「えぇ。・・・・多分彼女は頭を冷やすと思いますよ。」
「だといいけどね。」

 
   

【10】

[RETURN]

 
「お嬢様、元気そうでよかったですよ。心配でしょうがなくて・・・。」
「ユーリィさんも、元気そうでよかった!」
ユーリィとライトルーテは、にっこりと笑いながらそう言う。
「そうそう・・・。変える方法ですが、1つだけ見つかりました。」

「何々!?」
ライトルーテは聞く。ユーリィは言った。
「・・・湯婆婆様のお姉さんの銭婆さんの、魔法の印鑑ですよ。
あれがあれば、契約書にハンコを押して、契約はチャラにできるんですよ。」


「ホント!?すごーい!」
「ですが、こちらにいるハクさんが以前やって失敗していますし、そんな簡単にできない。
湯婆婆様に知れたら殺されるかもしれない・・・。と、問題だらけなんですよ。」

「それに、湯婆婆本人も欲しがってる代物だ。気付かれたら没収されて、
自分の都合で使うんだ・・・。」
ハクもそう言ったので、ライトルーテはしょぼくれた。

 
   

 

【11】

[RETURN]

 
「・・・・そう言えば、湯婆婆様の所に、しゃれこうべの電話がありましたよね?」
「うん・・・でも、それで銭婆の所まで電話できるかな?」
「以前聞いていたんですけど、湯婆婆様はそれで銭婆さんに電話していたので、できると思いますよ。それで、ここまでハンコを
運んでもらい、契約書にハンコを押すと。」
「契約書はどうやって?」
「それは坊さんに頼んでありますからご心配なく。」
ユーリィがさらりと言ったので、これにはみんなたまげてしまった
 
   

【12】

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【13】

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【14】

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【15】

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【考 察】

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